すべてのピナレロバイクは、
"Fatta da Pinarello"(ピナレロ製)です。

ピナレロは1956年よりイタリアのベネト州・トレヴィーゾにおいて、製品の開発をし、テストを行い、偉大なチャンピオン達や多くのアマチュアサイクリストに支えられてテクノロジーや経験の蓄積が行われてきました。
そして現在は、高度な技術力を持つ世界最大の航空宇宙機器メーカーとパートナー関係を持つ日本のカーボン繊維サプライヤー、TORAY(東レ)など、世界中の最高品質の素材を供給する原材料メーカーなどの協力を得て、最高の品質と最高の技術力を維持、発展させていくため、研究開発を続けています。そしてすべてのピナレロバイクが、優れた技術を持つクラフトマン達により生産されています。
Think Asymmetric
世界初の非対称フレームこそ本当の“均等”を生み出す
「バイクは左右対称なもの」というのは、誰が決めたのでしょうか。確かに、これまでも左右非対称のチェーンステイを採用したロードバイクは存在しました。しかし、2010年より旗艦モデルとしてピナレロが投入したDOGMA60.1、そしてその後に続くKOBH60.1などは、フォークからトップチューブ、シートステイ、チェーンステイ、つまりフレームトータルで左右非対称の形状となっており、これまでの“常識”を覆すものとなっています。
世界初となる左右非対称フレーム
A:トップチューブ
左下がスクエア形状な非対称トップチューブにより、ハンドリング入力による不均等なヨレを軽減
B:フォーク
右フォークは、左フォークよりもボリュームを持たせたスクエア形状を採用
C:シートステイ
右シートステイは、左側よりボリュームがあり、さらなる剛性を実現
D:チェーンステイ
右チェーンステイのBB寄り部分はシャープに、逆にリアエンド側は太い形状。また左チェーンステイのBB寄りは補強され、リアエンドに行くに従ってシャープな形状となっています。
一見すると奇をてらった形状と思われがちですが、その発想は実に理にかなったものです。ギアやチェーンなどの駆動系はバイクの右側に集中しているため、左右対称のフレームではどんなに均一にペダリングしてもフレームに掛かる加重は左右で異なってきてしまいます。そこでピナレロでは、加重が均等に掛かる形状として左右非対称フレームを採用したのです。
ペダリングによる左右対称フレームに掛かる加重イメージ
右ペダルを踏み込むと、BB周辺を中心にフレームへ大きな加重(赤〜黄色の部分)が掛けられます
左ペダルを踏み込んだときには、右のペダリング時と比べて、フレームに加重が掛かっていません(青色の部分)
フレームを詳細に見てみると、駆動系があることでより高い剛性が必要な右側はボリュームを持たせ、右側より剛性が必要でない左側はシャープなシルエットをしていることがわかります。
これにより、ペダリング時などに掛かる加重が均等になるだけでなく、フレーム左側のボリュームを落とせたことで、フレーム全体として重量減に成功。非常にボリュームのある形状であるにも関わらず、新たなフラッグシップバイクDOGMA 60.1は、従来のPRINCE CARBONよりも軽量な950g(540mm)を実現しています。
また、フォーク(下写真・左)・シートステイ(下写真・中央)ともに、詳細に見なければ分からないほど微妙な左右非対称形状となっています。この形状は CAD(コンピューター支援設計)やFEM(有限要素法による構造解析技術)、さらに繰り返し行われたテスト走によって生み出されました。
各部の3Dモデル。フォーク(左)、シートステイ(中央)は、じっくり見ると微妙な左右非対称を成していることがわかります。チェーンステイ(右)は、加重のかかる右側が特に太くなっています。
アシンメトリックによって生み出される新世代のピナレロ・フィーリング
掛かる加重によって応力が均等になるようバイクの形状を左右非対称にしたピナレロのアシンメトリック・システムは、直進安定性の向上、ペダリング バランスの向上、動力伝達率の向上、応答性の向上(かかりの良さ)、シャープでいて安定したハンドリング、BB付近の反発が均一化されることによる身体へのストレス軽減など、多くのメリットをライダーに与えてくれます。その卓越した性能はDOGMA 60.1に乗った世界中のプロサイクリストやアマチュアサイクリスト達が認め、賞賛しています。
TORAYCAⓇ NanoAlloy™
ピナレロ社が独占的に使用可能な最高グレードのカーボン素材と技術
DOGMA60.1やKOBH60.1のフレーム素材として採用された“TORAYCAⓇ カーボン60HM”は、世界最高レベルの技術を有する日本の「東レ」とのコラボレーションにより、現在自転車業界ではピナレロ社のみが独占的に使用することが可能なカーボン素材。60HMとは60トンの荷重に耐えられる強度を示し、これは市場でも最高グレードに属する素材なのです。
また“TORAYCAⓇ カーボン60HM”には、NanoAlloy™(ナノアロイ)テクノロジーという「東レ」独自の最新技術が採用されています。従来はカーボン素材にポリマー(重合体)を混合(ブレンド)されてきたのが、この手法では混合されたポリマーそれぞれの特質を弱めてしまっていました。それに対して NanoAlloy™テクノロジーは、アロイ化することでそれぞれの特質を最大限に利用することを可能にした。さらに「東レ」では、このアロイ化をナノスケールサイズで行う“ポリマーアロイ”の開発に成功しました。
破断したチューブ(左)と可塑性変形したチューブ(右)。可塑性変形することで、フレーム破損やライダーの安全性に対するリスクを軽減しています
この技術を使い、“TORAYCAⓇ カーボン60HM”は他社の標準品質のカーボン素材よりも耐衝突力が59%アップ。従来であれば破断していたような衝撃を受けた際にも、破断せずに可塑性変形をし、フレーム破損のリスクを軽減しています。
加えて、カーボンの製造技術には“EPS(エチルポリスチレン)”テクノロジーを採用。これはカーボン成型時にできるフレーム内面のシワをなくし、滑らかにするピナレロ独自の技術。フレーム内側が平滑になることでフレームに掛かる加重が均一化され、剛性アップ、品質安定性の向上、さらにフレームの外側からは見えない部分の軽量化を実現しています。
複数のチューブがつながるシートチューブ接合部分や、ヘッド・BB周辺なども、EPSテクノロジーによって滑らかな内部構造となっています
トップチューブ、シートチューブ、シートステイが集合する接合部周辺の内部構造。内部も滑らかに成型されており、妥協はありません