[TEAM SKY PRO CYCLING] ツール・ド・ロマンディ2013:プロローグからイエロージャージを守り抜いたクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)が最終日の個人TTでも3位に食い込み総合優勝!
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[TEAM SKY PRO CYCLING] ツール・ド・ロマンディ2013:プロローグからイエロージャージを守り抜いたクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)が最終日の個人TTでも3位に食い込み総合優勝を果たした。
4月23日から6日間の日程で開催されたツール・ド・ロマンディ(UCIワールドツアー)は、プロローグからイエロージャージを守り抜いたクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)が最終日の個人TTでも3位に食い込み総合優勝を果たした。ツール・ド・ロマンディ2013で個人総合有償を果たしたクリス・フルーム(イギリス・スカイプロサイクリング):www.teamsky.com
トップタイムでリーダージャージを獲得したクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング):www.teamsky.com
リーダージャージ擁するスカイプロサイクリングがレースをコントロール:www.teamsky.com
昨年同様に初日に設定されたプロローグは7.4kmある登りゴールの個人タイプトライアル。スカイプロサイクリングはツールを見据えるクリス・フルーム(イギリス)をエースに。さらに今季好調のリッチー・ポルト(オーストラリア)をアシストに添え、鉄壁の布陣で2連覇を狙う。この日の個人TTでは最終走者のフルームが2位のアンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)を6秒引き離し、初日でリーダージャージを獲得した。
「僕らはとても良いチーム編成で望んでいる。リッチー(ポルト)が4位に入ったことはとても重要なことで、つまり何枚かのカードを切ることができるということ。一週間、良いレースができるはずだ。」
第1ステージはリーダージャージを擁するスカイプロサイクリングがコントロールしていたが、レース終盤にはスプリントを目論むオメガファーマ・クイックステップがコントロールを開始、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)やホセ・ルハノ(ベネズエラ、ヴァカンソレイユ・DCM)、アドリアーノ・マローリ(イタリア、ランプレ・メリダ)らが飛び出すも逃げは決まらず、混沌としたスプリントを制したジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)がステージ優勝、フルームはリーダージャージをキープ。
フルームのアシスト役をこなすリッチー・ポルト:www.teamsky.com
集団前方に位置するクリス・フルーム(イギリス・スカイプロサイクリング):www.teamsky.com
第2ステージもリーダージャージをキープするスカイプロサイクリングがレースを支配下に置き、レース終盤に近づくにつれ着実にタイムギャップを削り取っていく。リッチー・ポルトも集団の先頭に立ち積極的にフルームをアシスト。レース後半にはアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)やロバート・ヘーシンク(オランダ、ブランコプロサイクリング)も攻撃を仕掛けたが、スカイプロサイクリングやスプリンターチームの牽引により引き戻される。ゴール直前の直角コーナーを抜けた後混戦から抜け出したラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・シャープ)ロングスプリントでスプリントを制した。この日もフルームは総合2位のアンドリュー・タランスキーに6秒差でリーダージャージをキープすることに成功した。
多くの峠を越える第3ステージ。山岳で後れを取ることが許されない状況で、スカイプロサイクリングは強力にレースをコントロール、登りのアタックもダビ・ロペス(スペイン・スカイプロサイクリング)らの強力な牽きによってことごとくつぶされリーダージャージのクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)はリッチー・ポルト(オーストラリア)に守られる形で、常に集団前方でレースを展開。リーダージャージをキープした。
クロワ峠で先行するクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)とサイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ): www.teamsky.com
総合優勝に王手をかけたクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング): photo:Tour de Romandie
第4ステージは、1級山岳が4つ登場するクイーンステージ。この上りと下りしか無いコースで、総合上位陣による激しい上り勝負が繰り広げられた。リーダージャージのフルームは、リッチー・ポルト(オーストラリア、スカイプロサイクリング)の献身的なアシストにフォローされてメイン集団の前方に位置取って走る。残り10km辺りでサイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)がアタックしていくと、これに反応するようにして遂にフルームが発進した。頂上を通過して下りに入り、先行するのはフルームとスピラックのただ2名となる。アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)やルイ・コスタ(ポルトガル、共にモビスター)らを含む追走グループは先頭2名を追ったものの、ウェットなダウンヒルでは思うように差が縮まらない。ステージを狙うスピラックと、総合でのタイム差を広げたいフルーム。利害の一致した2名は先頭交代を繰り返していくと、タイム差は30秒から縮まらない。2人はフルーム先行のまま、最後の直線へと到達。最後はスピラックが加速し、昨年3月以来となる勝利を手中に収めた。スリップに付いたフルームは同タイムでゴールし、3位グループで到達したライバルたちに対して1分の差をつけることに成功。前日までのタイム差と合わせ、フルームが他総合勢に対して1分半ほどのリードを得た。
最終ステージ3位に食い込んだクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング): www.teamsky.com
最終ステージはレマン湖の南西岸に位置するジュネーヴを発着する18.7kmの個人TT。完全に平坦路で、2つの折り返し地点に配されたヘアピン以外にテクニカルポイントが無い、単純な独走力が問われるもの。リーダージャージを着るクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)は、昨日終了時点で総合2位のサイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)に対して47秒、3位のルイ・コスタに1分21秒という大きな差を付けて既に総合優勝にリーチを掛けた状態でレースに臨んだ。
最終走者・フルームは総合ライバルの誰よりも速い21分41秒、ステージ優勝のTT世界王者マルティンから34秒遅れのステージ3位に滑りこみ、プロローグからキープするリーダージャージを誰にも渡すこと無く総合優勝に輝いた。
フルームは昨年のブラドレー・ウィギンズ(イギリス、スカイプロサイクリング)のように、ここまでツアー・オブ・オマーン優勝、ティレーノ~アドリアティコ2位、クリテリウム・アンテルナシオナル優勝など、出場するほとんどのレースで好成績を収める活躍ぶり。目標に据えるツール・ド・フランスに向けて上々の仕上がりと言えるだろう。
「ツールを目標にしているこの時期に好調を維持出来ていて、特にこの1週間は自分のパフォーマンスにとても満足している。でも強力なチームのサポート無しではこの結果は出すことが出来なかった。プロローグから今日まで、チームやチームメイトは僕をレースの最前線に位置取らせてくれた。僕はチームに報いることができたんだ。」
「僕が出る全てのレースは、コンディションを見極めるため、そしてどう走るかなどツールを前にして良いテストとなっている。この1週間はとても良い経験となった。間違いなく調子は良いけれど、でもツールまでは2ヶ月あるんだ。まだまだ厳しいトレーニングを重ねなければならない」と第67回ツール・ド・ロマンディ王者、フルームは語った。