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Q36.5|Q36.5がサイクルウェアを”装備品”と呼ぶ理由 #01

  • Q36.5

36.5℃という”答え”を追い求めて

サイクルウェアの進化を語るとき、多くの人が思い浮かべるのは軽量性や空力性能だろう。

より軽く。
より速く。

ロードレースの世界で長年繰り返されてきた競争である。

しかしイタリア・ボルツァーノを拠点とするQ36.5は、創業当初から別の問いを投げかけていた。

「ライダーが最高のパフォーマンスを発揮できる状態とは何か。」

その答えとして辿り着いたのが、ブランド名にもなっている36.5℃だった。

Q36.5の「Q」はラテン語のQuaerere(探求する)に由来する。

そして36.5とは、人間が最も高いパフォーマンスを発揮できる理想的な深部体温を意味している。

「Q36.5は単なるサイクルウェアブランドではありません。
私たちが目指しているのは、ライダーの身体を最適な状態へ導くためのソリューションを作ることです。
だから私たちは製品を“ウェア”ではなく“Equipment(装備品)”と呼んでいます。」

— Walter De Luca|Global Sales Director|Q36.5


ウェアではなく“装備品”という考え方

Q36.5の製品開発を語るうえで欠かせないキーワードがサーモレギュレーションだ。

どれほど脚力のあるライダーであっても、身体がオーバーヒートすれば出力は低下する。

逆に冷えすぎれば筋肉の働きや集中力に影響が出る。

つまりライダーの能力を最大限発揮するためには、まず身体を理想的な状態に保つ必要がある。

Q36.5は創業以来、このテーマを一貫して追求してきた。

空力性能や軽量性ももちろん重要だ。

しかしQ36.5が見据えるのは、その先にある「ライダーの身体」である。

ライダーを理想的なコンディションへ導くための手段に過ぎないのである。

ドロミテが育てた開発思想

南チロル・ドロミテ。Q36.5の開発拠点ボルツァーノ周辺は、一日の中で大きく気温が変化する独特の環境を持つ。

Q36.5の本社があるボルツァーノは、世界遺産ドロミテ山塊の玄関口として知られている。

サイクリストにとって憧れの土地であると同時に、製品開発においても理想的な環境だ。

長い登坂。

急激な気温変化。

高地特有の天候。

ライダーが実際に経験するあらゆる条件を日常的に再現できる。

研究室だけでは決して得られない知見がそこには存在する。

「私たちにとってボルツァーノは単なる本社所在地ではありません。
朝は寒く、昼は暑く、午後には雨が降り、峠では再び冷え込む。
サイクリストが実際に体験する環境そのものです。
この土地がQ36.5の開発を支えています。」

— Walter De Luca


さらにQ36.5の製品は、本社から半径350km圏内で開発・素材調達・生産が行われている。

それは単なるMade in Italyという話ではない。

開発者、素材メーカー、縫製工場が高い密度で連携しながら製品を磨き上げるためのシステムなのである。

ミニマルデザインの裏にある複雑な技術

Q36.5の製品を初めて手に取る人は、そのシンプルなデザインに驚く。

しかし、そのミニマルな外観の裏には高度な設計思想が隠されている。

代表例がDottoreシリーズだ。

一般的なサイクルウェアが複数パネルによって立体形状を作るのに対し、Q36.5は縫製とパネル数を極限まで削減する方向へ進んだ。

縫い目が減れば、生地本来の性能を最大限発揮できる。

摩擦も減る。

圧迫も減る。

身体との一体感も高まる。

その結果として生まれるのが、Q36.5特有のフィット感である。

“Equipment”という思想を形にした3つのプロダクト

Dottore Pro Jersey。

Gregarius Pro Bib Shorts。

Unique Pro Shoes。

カテゴリーは違っても、思想はひとつだ。

ライダーの身体を36.5℃という理想的なコンディションへ導くこと。

Walter De Luca氏は「私たちは製品単体ではなく、ライダーを支えるシステムとして考えています」と語る。

ジャージ、ビブショーツ、シューズ。

すべてが一体となって初めて、Q36.5が掲げる”Equipment”は完成する。

プロチームは広告ではなく研究機関

Q36.5は現在、自社のプロチームを運営している。

しかし彼らにとってチームは広告媒体ではない。

巨大な研究開発施設である。

世界最高峰のレース環境から得られるフィードバックは、新たな製品開発へ直接反映される。

レースで磨かれた技術は、やがて一般ユーザー向け製品へと還元されていく。

改善できないなら変えない

Q36.5にはひとつの哲学がある。

改善できないなら変えない。

毎年新製品を出すことが目的ではない。

既存製品を超えられる確信があるときだけ、新しい製品を世に送り出す。

その姿勢は創業以来変わっていない。

「もし私たちが既存製品を超えられないのであれば、新製品を作る意味はありません。
私たちは変化のための変化を求めていないのです。
本当に改善できると確信した時だけ、新しい製品を市場へ送り出します。」

— Walter De Luca


36.5℃という終わらない探求

Q36.5は軽量化を否定しない。

空力性能も追求する。

しかし、その中心にあるのは常に人間だ。

ライダーが最適な状態で走れているか。

身体は理想的な温度を維持できているか。

疲労を最小限に抑えられているか。

その問いに向き合い続けた結果がQ36.5なのである。

それは、単なるサイクルウェアではない。

装備品である。

36.5℃。

その数字はブランド名ではない。

ライダーの可能性を最大限に引き出すために、Q36.5が追い続ける”答え”なのである。

そして、その探求は今日もボルツァーノから続いている。

「私たちは、まだ探求の途中です。」

— Walter De Luca


INTERVIEW: Hirohisa Yamaguchi – Bicycle Club

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