KINAN Cycling Team
フルクラム・ホィール インプレッション


 2016年1月からKINAN Cycling Teamで使用しているフルクラムホィールは総合的に完成度が高く、走行性能、耐久性、メンテナンス面からとても満足度の高いホィールです。チームがこれまでトレーニングやレースで使用する中で得たホィールの印象をインプレッションとしてまとめてみました。

[チーム使用ホィール]
RACING ZERO 2Way-fit / RACING SPEED / RACING 3 2Way-fit / SPEED 40T / RACING LIGHT XLR

RACING ZERO 2WAY-FIT
RACING ZERO 2WAY-FIT (2016)RACING ZERO 2WAY-FIT (2016) 選手の意見:選手全員がレーシングゼロを表現する時によく使う言葉は「硬さが良い」「踏み出しが軽い」「振りが軽い」
 現在選手はコーナーの立ち上がり、ストップ&ゴー、スプリントなど、急加速を多用するレースでレーシングゼロを好んで使用している。やや硬めの剛性がハードでスムーズな加速を助けてくれる。またリムハイトが低い事で踏み出しのダンシングでバイクを左右に振ったときの重さも感じずに推進力に変わる。そのため登りのレースでもレーシングゼロを選ぶ選手が多い、軽量であることも高評価。
 ブレーキはとても安定していて信頼できる。雨が降っても制動力は急激に落ちないので天候を気にせずに選べる。高い剛性は下りでも安心してハイスピードのダウンヒルをこなせる。2WAY-FITなのでIRCチューブレスタイヤとの相性がとても良い。
適したレース:クリテリウム、ヒルクライム、横風が強い地形のレース
主な使用レース:スペイン遠征 / ボルタ・ア・バレンシアナ 2016、JBCF 宇都宮クリテリウム、JBCF 各レース
Volta a la Comunitat Valenciana 2016Volta a la Comunitat Valenciana 2016



RACING SPEED
RACING SPEED (2016)RACING SPEED (2016) 選手の意見:レーシングスピードを表現する言葉はオールラウンド、登れる、反応がいい、高速巡航性が高い
 選手はレースでホィールの選択に悩んだときには、レーシングスピードを選ぶことが多い。それはオールラウンドにこなしてくれる安心感から。
 特徴としてはディープリムの特性である高速巡航性能が他者と比べても高い。加えて軽量で高剛性のため、コーナーの立ち上がりの軽さと、スプリント時のたわみは無く、ロス無く推進力になり伸びてくれる。そして登りもこなせる身軽さを備えている。そこから選手は皆、ロードレースからヒルクライムまで幅広く使用できるオールラウンダーだと評価する。アジアツアーのような悪路でもトラブルは無く、高速巡航の続くラインレースでは無くてはならないホィール。
レーシングゼロよりやや硬さは和らぎ、200kmを越えるレースでも後半でも力を温存できる。
ブレーキの制動性は晴天時には滑らかに効き、特別なテクニックは不要。雨のレースでも乗り始めこそカーボン特有の滑りはあるが10分も使用すると安心して使えるように安定する。
適したレース:ロードレース(アップダウン、平坦)、ステージレース、ヒルクライムレース
主な使用レース:ツール・ド・フィリピン 2016、ツール・ド・イジェン 2016(頂上ゴールでジャイ・クロフォードが総合優勝)、ツアー・オブ・ジャパン 2016(富士ステージでマルコス・ガルシアが2位)
Le Tour de Filipinas 2015Le Tour de Filipinas 2015



SPEED 40T
SPEED 40TSPEED 40T 選手の意見:完成度の高く日本のレース体系にマッチするホィール
レーシングゼロ、レーシングスピード同様に高剛性でしっかり進んでくれる。40mmのリムハイトは高速巡航性も保ちつつ、ストップ&ゴーをより軽くしてくれる。ベアリングの転がりも軽い。またリム幅が広いことでコーナーの安定性とグリップの確保が出来る。日本のサーキットレースのようにアップダウンと左右のコーナーを連続でこなすシーンにとても適している。エースのジャイ・クロフォードが好んで使用しており、ベアリングの軽さに惚れ込んでいる。
適したレース:国内JBCFシリーズ、サーキットレース
主な使用レース:ツアー・オブ・ジャパン 2016(伊豆ステージ / ジャイ・クロフォード)、ツール・ド・熊野 2016(ジャイ・クロフォード)
Tour of Japan 2016 Izu StageTour of Japan 2016 Izu Stage



RACING LIGHT XLR
RACING LIGHT XLRRACING LIGHT XLR 選手の意見:山岳コース、ヒルクライム、頂上ゴールのレースでエースが使用するスペシャルホィール
ギリギリまで軽量化したい時、激坂の山岳コースで使用している。
激坂でダンシングする際に、ホィール外周の重量が軽いのでスムーズなダンシングを可能にする。剛性がしっかり保たれているので、山岳コースの下り、山岳地帯に入る前の平坦も十分にこなせる。
適したレース:山岳コース、ヒルクライム、頂上ゴールのレース
主な使用レース:ツール・ド・イジェン 2016(頂上ゴール / リカルド・ガルシア)、ツール・ド・フローレス 2016(山岳ステージ / ジャイ・クロフォード)
Tour de FLORES 2016Tour de FLORES 2016



RACING 3 2WAY-FIT
RACING 3 2WAY-FIT (2016)RACING 3 2WAY-FIT (2016) 選手の意見:トレーニングで毎日ハードに使うが、スポークの飛びや振れなどのトラブルもなく安心してトレーニングに集中できる。
トップグレードではないがそう感じない十分な乗り味、レーシングゼロと比べるとハードさが取れて優しい乗り心地。
ロングライドや慣れていない女性ライダーの方にも疲れにくいホィールとしてお勧めできる。
レースと練習でホィールを使い分けているが、乗り味の感覚にそれほど大きな差は感じられない。それだけレーシング3の完成度の高さがうかがえる。
KINAN Cycling TeamKINAN Cycling Team



メカニックの視点でのフルクラム・ホィール インプレッション
メンテナンスの観点から:完成度の高いトラブルレスなホィール。

 スポークテンションは全体的に他社よりも高めでレース中のトラブルも少ない。レース中の接触や落車での振れも少ない。

 レーシングゼロはセラミックベアリング(USB)で回転も軽い、完成度が高くメンテナンスフリーに近い状態で使用できる。ベアリングもカップ&コーン式なので、走行中の横荷重にも耐えられ、ライダーがどんなシチュエーションでも安定してベアリングが機能している。カセット式とは違い、ベアリングの玉辺り調整もでき常にいい状態にメンテナンスが可能。そのため内部パーツの寿命も長い。

 レーシングスピードは回転の軽さを追及するためベアリングのシールが薄く作られているようで、雨の日の使用後はメンテナンスが必要になる。またチューブラーのカーボンリム全般に言えることだが、チューブラータイヤの接着を剥がす際にはカーボン表層を痛めないよう注意が必要。

 スピード40Tはメンテナンスの面からも完成度が高く、ニップルが外に出ているのも好ましい。スポーク穴から見えるリム内側のカーボン表面も滑らかで仕上げがきれい。リムがワイドリムなため、チーム内でリム幅違いのホィールが混在する事はトラブル対応でネックになるが、全車体を通常リムとワイドリムの双方に対応できるように調整して対応している。

 昨今はタイヤが太くなってきているのでワイドリムの必要性を感じている。タイヤを正円に保つためにも今後はワイドリムを取り入れていきたい。非接触のスポークもホィールの性能を発揮してくれトラブルの減少にも役立っている。フルクラム・オリジナルのクイックレバーは、レバーを占める際に最後のひと押しが出来るので安心感が高い。解除も力を入れやすくスムーズ。
フルクラムの「2WAY-FIT」にチューブレスタイヤを使用する際には、シーラントを使わず装着できることが驚きである。他社製品の多くはチューブレス対応であってもシーラントを入れないと空気が抜けてしまうことが多い。